ヒトの全細胞

ヒトの体は37兆個の細胞から構成され、その種類としては約200種であると言われています。「赤血球」「神経細胞」「骨細胞」などの体内の細胞と、「iPS細胞」「HeLa細胞」などの培養細胞を解説します。

腎臓に関する細胞

傍糸球体細胞

投稿日:2018年2月5日 更新日:

傍糸球体細胞

傍糸球体細胞は糸球体に隣接する細胞種であり、尿細管上皮細胞や糸球体外メサンギウム細胞と共に傍糸球体装置を構成する。緻密斑からのシグナルに応答してレニンを産生し、血圧を高める働きを持つ。輸入細動脈の壁に位置していることから、特殊化した平滑筋細胞と考えられている。

糸球体
図1 糸球体
6で示された細胞が傍糸球体細胞である。緻密斑(7)と糸球体外メサンギウム細胞(5b)と共に傍糸球体装置を形成する。9が輸入細動脈である。

○レニン分泌制御

血圧が低下したとき、糸球体におけるろ過効率が低下するため、尿細管を流れる原尿の量は減少する。この時、ヘンレのループにおけるNa、Clイオンの能動的な再吸収の効率は変わらないため、遠位尿細管でのNa、Cl濃度は低下する。

遠位尿細管の上皮細胞である緻密班は尿中のCl-濃度を検知する機構を持っており、Cl-濃度が低い時にプロスタグランジンを放出して傍糸球体細胞を刺激する。刺激を受けた傍糸球体細胞がレニンを輸入細動脈に放出することによって、レニンーアンジオテンシンーアルドステロンが始まる。

また傍糸球体細胞はアドレナリンβ1受容体を持っており、交感神経からのノルアドレナリンの刺激によってもレニンの産生を増大させることができる。「闘争と逃走」の神経である交感神経の刺激でレニンが増加し、血圧が高まる。

レニン分泌
図 レニン分泌制御

○レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系

傍糸球体細胞が分泌するレニンは、肝臓や脂肪細胞にて合成されたアンジオテンシノーゲンというタンパク質のペプチド結合を切断し、10アミノ酸から成るアンジオテンシンIを合成する酵素である。合成されたアンジオテンシンIは血中を流れて肺の毛細血管に至り、アンジオテンシン変換酵素(ACE)等の作用を受けてアンジオテンシンIIとなる。

アンジオテンシンIIは血管平滑筋に作用して収縮を強めると同時に、副腎皮質の球状帯に作用してアルドステロンの分泌を、脳下垂体に作用してバソプレシンの分泌を促す。

アルドステロンは尿細管におけるNaの再吸収を促進(血中Naの増加=浸透圧の増加=水分の増加)し、バソプレシンは利尿を抑えるホルモン(血流量増加)である。アンジオテンシンはこれら三つの作用によって血圧を高めている。これらを総称してレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系と呼ぶ。レニンを阻害するアリスキレンは、高血圧の治療薬として用いられている。

〇参考文献

アリスキレン

・Wikipedia
レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系
傍糸球体細胞

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