ヒトの全細胞

200種類あると言われる人の細胞を、一つ一つ、全てまとめるつもりです。
2019/1/6 human-cell.comにサイト移転します。よろしくお願いします

カテゴリ: その他

「ヒトの全細胞」です。

一般に200種あると言われています。随時更新していきます。


現在47細胞です。


◎目に関係する細胞 (現在7細胞)
桿体細胞
錐体細胞
双極細胞
水平細胞
アマクリン細胞
神経節細胞
ミュラー細胞

◎血液に関係する細胞(現在5細胞)
造血幹細胞
血小板
赤血球
巨核球
周皮細胞

◎胃に関係する細胞(現在5細胞)
壁細胞
主細胞
G細胞
ECL細胞
胃小窩細胞

◎皮膚に関係する細胞(現在7細胞)
角化細胞
メラニン細胞
ランゲルハンス細胞
メルケル細胞
毛母細胞
毛乳頭細胞
皮脂腺細胞

◎神経や脳に関係する細胞(現在8細胞)
神経細胞
シュワン細胞
オリゴデンドロサイト
神経幹細胞
アストロサイト
ミクログリア
上衣細胞
外套細胞

◎腎臓に関連する細胞(現在4細胞)
足細胞
メサンギウム細胞
傍糸球体細胞
尿細管上皮細胞

◎結合組織に関連する細胞(現在6細胞)
線維芽細胞
白色脂肪細胞
褐色脂肪細胞
骨芽細胞
骨細胞
破骨細胞

◎免疫に関連する細胞(現在4細胞)
肥満細胞
好酸球
好塩基球
好中球

◎呼吸器系の細胞
Ⅰ型肺胞上皮細胞


◎(番外編)培養細胞
HeLa細胞


◎その他
プライバシーポリシー


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Ⅰ型肺胞上皮細胞
(Type I pneumocyte)


〇I型肺胞上皮細胞とは

肺胞の上皮細胞のうち、酸素と二酸化炭素を交換する働きを持つものをI型肺胞上皮細胞と呼ぶ。70平方メートルにも及ぶ肺胞の表面積の95%を占めている。残りの5%はII型肺胞上皮細胞が占めており、表面活性物質を分泌することで肺胞を表面張力から守り、形態を維持する役目を果たしている。


Alveolar-sac-01

図1 肺胞
 https://embryology.med.unsw.edu.au より引用
 alveolus: 肺胞
 alveorar tyoe 1 cell :Ⅰ型肺胞上皮細胞



〇形態

I型肺胞上皮細胞は厚さ0.2μmの扁平な形態をとり、片面が肺胞(外気)に、もう片面が基底膜を介して毛細血管に接触している。細胞小器官はあまり発達しておらず、異物を取り込む飲作用小胞=ピノソームのみ観察される。

隣接する肺胞上皮細胞は密着結合しているため、隙間からの無制御な物質交換は無く、すべて肺胞上皮細胞、基底膜、血管内皮細胞を経由することとなる。これを血液空気関門と呼び、その厚さは約2.0μmである。密着結合には組織液の流出を防ぐ働きもある。

Ⅰ型肺胞上皮細胞は外気からの毒などの刺激を受けやすく、したがって傷つきやすいが、自身には分裂能傷ついた場合にはII型肺胞上皮細胞がI型肺胞上皮細胞に分化して置き換わり、傷を修復する。


〇酸素と二酸化炭素の交換

空気に触れている肺胞上皮は末端組織に比べてO2濃度が高く、CO2濃度が低く保たれており、毛細血管を流れる赤血球のヘモグロビンは酸素解離曲線に従って酸素を受け取ることができる。

無極性分子である酸素は細胞膜や基底膜を容易に通過するため、酸素の交換には特別なチャネルやトランスポーターを必要としない。二酸化炭素も酸素と同様に膜を通過することができるが、I型肺胞上皮細胞は分化の過程で透過能を二倍に向上させることが知られている。この機構にはアクアポリン5が関与するという。

〇まとめ
  • Ⅰ型肺胞上皮細胞は、肺胞の95%をカバーする厚さわずか0.2µmの薄い細胞

  • 二酸化炭素と酸素の交換機能を持つ

  • 血液空気関門を形成して血液を体外の異物から守る


○参考文献

・呼吸器系組織の創出に向けた基礎研究の進展 田所友美
・二酸化炭素の細胞膜透過に関る「CO_2チャネル」は存在するのか?  -科研費
・呼吸器とアクアポリン(日本小児アレルギー学会、2001)
・急性肺損傷(ALI),急性呼吸促迫症候群(ARDS)の 病態と診療 -藤島清太郎
・Wikipedia
   Ⅰ型肺胞上皮細胞
   肺胞
   Pulmonary alveolus
 急性呼吸窮迫症候群
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HeLa細胞
(HeLa cell)



〇HeLa細胞とは

HeLa細胞は、ヘンリエッタ=ラックスという黒人女性の子宮頸癌を由来とする細胞株である。1951年に確立されたHeLa細胞はヒト培養細胞の中で最も長い歴史を持ち、分裂の速さや環境変化に対する生存力の強さ、付着細胞であることが培養を容易にしているため、現在でも多くの研究室でin vitroモデルとして用いられている。

HeLa

図1 HeLa細胞
 DNAをHoechestという色素によって染色したもの。左側の細胞は分裂期に入っている。


〇不死化

通常のヒト細胞を組織から分離してシャーレ上で培養しようとする場合、何回かは分裂を繰り返すが、ある回数以上は分裂することができない。これをヘイフリック限界と言い、ヘイフリック限界を無視して無限に分裂を繰り返す細胞を不死化した細胞、と呼ぶ。

ヘイフリック限界の分子的原因はテロメア短縮である。細胞周期を一周するごとにDNAは二倍に複製されるが、その両端を完全に複製することは不可能であり、DNAの両端に存在する「テロメア」という遺伝情報の乗らない繰り返し配列(TTAGGG)が分裂ごとに短くなっていく。テロメアは分裂カウンターの役割を果たすと言われ、5kbを切ると分裂周期は止まってしまう。ガン細胞などの不死化した細胞はテロメアを延長するテロメラーゼという酵素を多く発現しているため、ヘイフリック限界を回避できることが知られている。

〇ヒトパピローマウイルス

HeLa細胞の場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頚部に感染したことが不死化の原因であるとされる。HPVは二本鎖のDNAウイルスであって、複数のタンパク質をコードする(Open reading frame)配列を持つ。その中に位置するE6,E7と呼ばれるたんぱく質が不死化の原因になったと考えられており、それぞれp53,pRBの働きを阻害する。p53はDNA損傷や環境変化に応答して修復やアポトーシスを誘導するタンパク質であり、pRBはS期に進行させる転写因子E2Fと結合し、その機能を抑える働きを持つ。p53,pRBは共に著名ながん抑制遺伝子である。

さらにp53はテロメラーゼの発現を抑えることが報告(Xu, et.al, 2000)されており、結果としてE6はテロメラーゼの発現増強の原因の一つになっていると考えられる。

すでにパピローマウイルスのDNAはHeLa細胞のゲノムに挿入されており、HeLa細胞を扱ってもウイルスに感染する心配はない。

〇培養

HeLa細胞は付着細胞であり、シャーレ(ディッシュ)の上で育てることができる。分裂はおよそ24時間に一回であり、シャーレ上を細胞が埋め尽くした状態を(100%)コンフルエントという。例えば今50%コンフルエントであれば、100%コンフルになるのは明日、と考えられる。HeLa細胞に限らず、コンフルエントに至ってしまった培養細胞は形質が変化することが経験的に知られているため、そうなる前に数を調整する必要がある。

シャーレに付着した細胞をトリプシン処理によって剥がし、数を減らして別の新しいシャーレに撒きなおす作業を「継代」と呼ぶ。継代もまた数をこなすごとに細胞の形質が変化するので、その回数を記録したり、継代回数の少ない細胞を冷凍保存しておく必要がある。

培地はE-MEM(最小必須培地)と呼ばれる液体にウシ胎児血清(FBS)を加えたものが用いられる。血清を加えないと細胞は分裂しないことが知られているが、その原因物質は特定されていない。

〇まとめ
  • HeLa細胞は、60年前に確立された最古のヒト培養細胞

  • 黒人女性ヘンリエッタ=ラックスの子宮頸がん細胞が由来

  • パピローマウイルスの影響で不死化

〇参考文献

・<総説>ヒトの老化・ガンとテロメラーゼ 井出利憲・田原栄俊

・Downregulation of telomerase reverse transcriptase mRNA expression by wild type p53 in human tumor cells.
Xu,D et al  oncogene, 2000

・HeLa 商品詳細
http://www.saibou.jp/service/kensaku/detail.php?catalogno=EC93021013-F0

・細胞培養講座「血清はなぜ必要?」
http://www.saibou.jp/service/know07.php

・Wikipedia
テロメア
HeLa細胞
ヒトパピローマウイルス

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最終更新:2019年1月20日

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