ECL細胞
(Enterochromaffin-like Cells)



〇ECL細胞とは

ECL細胞は、G細胞からのガストリンを受容してヒスタミンを分泌する、胃腸内分泌細胞の一種である。分泌小胞はクロム親和性であり、重クロム酸カリウム(K2Cr2O7)によって褐色に染色される。英語ではEnterochromaffin-like Cellsと表記され、日本語訳をすれば腸クロム親和性細胞様細胞となる。


〇制御

 G細胞の内分泌したガストリン、副交感神経のアセチルコリンによって刺激されると、ヒスタミンを放出する。ガストリンは胃を通る食べ物の刺激で放出され、副交感神経は食事時に活性化する神経であるから、ECL細胞がヒスタミンを放出するのは食事時である。


〇ヒスタミン

ヒスタミンは、ECL細胞の細胞質に含まれるヒスチジン脱炭酸酵素の働きで合成される。通常は分泌小胞に保存されているが、刺激を受けるとと傍分泌される。傍分泌されたヒスタミンは主細胞や壁細胞のH2受容体に受容され、ペプシノーゲンや塩酸の分泌を増加させることによって食物の消化を促進する。

ヒスタミンの受容体はH1~H4型までが存在し、いずれもGタンパク共役型(GPCR)である。H1型受容体はGqと共役して炎症やアレルギー・中枢神経に、H2型はGsと共役して胃酸分泌に、H3は中枢神経に関与する。H4についてはよくわかっていない。
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図1 ヒスタミンの合成
 左はヒスチジン、右はヒスタミンである。

放出されたヒスタミンはジアミンオキシダーゼによって
ヒスタミン + H2O + O2  (イミダゾール-4-イル)アセトアルデヒド + NH3 + H2O2
という反応が起こり、速やかに分解される。


〇抗ヒスタミン剤とH2ブロッカー

一般的に、H1受容体に拮抗してアレルギーを抑えるものを抗ヒスタミン剤というが、同時に中枢にも作用して眠気の副作用も生じる。副作用が出やすい薬を第一世代、後に開発された副作用が少ない薬を第二世代という。第一世代に比べ、第二世代は親水性が高く、血液脳関門を通過しづらくなり、中枢作用を抑えている。

一方、H2型受容体の競合的拮抗薬は抗ヒスタミン剤とは呼ばず、H2ブロッカーの名で呼ばれている。シメチジン(一般名タガメット)やファモチジン(ガスター10)がその代表格であり、胃潰瘍や食道炎の際に胃酸分泌を抑える薬として用いられている。H1受容体とH2受容体では構造が異なることから、抗ヒスタミン剤はH2受容体を阻害せず、また逆もしかりである。


○関連項目
G細胞
主細胞
壁細胞



〇参考文献
・Wikipediaの各項目
 クロム親和性細胞 
 ヒスタミン 
 

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