角化細胞
(Keratinocyte)


○角化細胞とは

角化細胞は、皮膚の表皮を構成する上皮細胞である。内部にケラチンを多く含み、体を外部環境から守ったり、検知したり、水分を保持したりする働きを持つ。



○皮膚の構造

体の表面を覆っている皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織の三層構造をなす。表皮は0.1mm程度であり、真皮は2mmと厚い。表皮は外胚葉由来、真皮は中胚葉由来であり、毛細血管は真皮のみに見られる。また真皮は指紋を決定する部位としても知られる。さらにその下にある皮下組織は真皮と筋膜を結びつける結合組織であるが、皮下脂肪が多く含まれている。


図1 皮膚の構造




○表皮

表皮は主に角化細胞から構成されるが、メラノサイトやランゲルハンス細胞、メルケル細胞といった樹状細胞も含む。表皮はそれ自体4層から成り、外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層と呼ばれる。外側ほど古い。
 基底層は真皮と接しており、活発に細胞分裂する層である。分裂してできた細胞は表面側に押し出され、有棘層となる。有棘層の名は、細胞を接着するデスモソームが棘のように見えたことに由来する。有棘層の細胞はさらに外側に押し出され、ケラヒノサイト顆粒を持った顆粒層となる。最後に顆粒層の細胞が死んで核を失い、ケラチンを含む固い袋と化したものが角質層である。角質層はすなわち垢である。
  細胞が内側から外側へ向かい、死んで固くなる過程をまとめて角化、もしくは角質化という。

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図2 表皮の構造


○ケラヒノサイト顆粒
 
 顆粒層に到達した角化細胞はケラヒノサイト顆粒を持つようになる。この顆粒は膜を持たないが、プロフィラグリンというタンパク質を主に含んでいる。プロフィラグリンは角質層形成における細胞死の際にプロテアーゼの作用を受けてフィラグリンとなり、ケラチン繊維を並行に並べて凝集させる因子として働く。アトピー患者に多くの異常が見られる。
 

○ケラチン
  
 ケラチンは、上皮細胞における中間径繊維構成タンパク質である。システインを11%と多く含み、したがって強固なジスルフィド結合に富む。この特徴によってケラチン繊維は中性溶媒に溶けづらく、またプロテアーゼに対しても強いという性質を持つ。凝固したケラチンは非常に固く、皮膚ばかりか爪や髪、嘴の構成成分である。

○角質層

 角質層の構造は、レンガとモルタルに似ていると表現される。すなわち、脱核してケラチンが凝固した角化細胞がレンガであり、細胞間質がモルタルである。細胞間質にはセラミドと呼ばれるスフィンゴ脂質が多く含まれ、水と交互に重なる層を形成する。ラメラ構造と呼ばれるこの構造は水分の体内からの蒸散を防ぐ働きを持っている。セラミドは顆粒層が持つ層板顆粒由来である。




〇参考文献

・Qシリーズ 新組織学 日本医事新報社
・花王 スキンケアナビ 
  http://www.kao.com/jp/skincare/structure_03.html

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