メルケル細胞
(Merkel cell)


○メルケル細胞とは

メルケル細胞は、皮膚の表皮付近に位置して触覚に関与する細胞である。大きさは約10μmの球形であり、50μm程度の角化細胞に比べて遥かに小さい。1875年にメルケル博士によって発見されたが、機能が判明したのは21世紀に入ってからのことである。


p01

図1 メルケル細胞



○触覚

皮膚の触覚には5種類の機構が作用している。メルケル細胞の他に、自由神経終末、ルフィ二終末、パチニ小体、マイスナー小体である。ルフィニ終末、パチニ小体、マイスナー小体の三種は真皮に位置し、それぞれ皮膚の伸び、細かな振動、大まかな振動を検知する。自由神経終末は表皮の中に入り込んで温度、痛み等に反応を示す。

○メルケル細胞の機能

 そしてメルケル細胞は弱い刺激を検知し、感覚神経に情報を伝える。20から40個のメルケル細胞が一つの神経と対応しており、表面のデコボコや角を認識するのに役立っている。動的な刺激ばかりでなく静的な刺激にも反応し、「触れている」という感覚を神経に与えている。

○分子機構

メルケル細胞の表面に位置するPiezo2という機械依存性の陽イオンチャネルが反応の鍵となる。Piezo2は30回膜を貫通した構造を取っており、わずか0.6μm程度の機械的刺激を受けると開く。膜電位が上昇したのを電位依存性のCaチャネルが認識して開くと、シナプスに向けて神経伝達物質の顆粒が放出され、それを感覚神経が受容するのである。


〇参考文献
・生命誌ジャーナル
 高度な触覚センサとして活躍する小さな細胞  仲谷正史
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/090/research/1.html


目次へ