オリゴデンドロサイト
(oligodendrocyte)


○オリゴデンドロサイトとは


オリゴデンドロサイトは、中枢神経の白質において軸索に巻きつき、髄鞘を形成する細胞である。基本的に末梢神経のシュワン細胞と同じ働きを持つが、オリゴデンドロサイトには髄鞘を作らないものも見られる。その数はニューロンの三倍程度と考えられている。オリゴデンドログリアともいう。

関連:シュワン細胞


髄鞘

図1 髄鞘の構造 脳科学辞典より



○髄鞘の形成


オリゴデンドロサイトの機能は、髄鞘を形成することによって、神経の信号伝達を早めることである。髄鞘は、オリゴデンドロサイトが軸索に何重にも巻き付いた構造であり、リン脂質にスフィンゴミエリンを多く含むことから、ミエリン鞘ともいう。


オリゴデンドロサイトは髄鞘が途切れた部分、ランヴィエ絞輪にイオンチャネルを集積させるシグナルを伝えている。ランヴィエ絞輪に集中したイオンチャネル間を、シグナルが跳躍伝導することにより、200m/sという速さでの信号伝達が可能となる。


また網膜神経節細胞について、オリゴデンドロサイトが巻きついた部位での軸索が太くなっていることが知られており、オリゴデンドロサイトは神経軸索を太くするシグナルも発していると考えられている。軸索が太ければ太いほど、活動電位の伝達速度は高まる。


ところで、中枢神経は損傷すると再生しないことが知られているが、オリゴデンドロサイトは神経細胞の軸索延長を阻害する働きを持つ。軸索が誤って再生された時に生じかねない情報処理上の混乱を防いでいると考えられている。機能分子としてはオリゴデンドロサイトの細胞膜上に発現しているNogoが知られている。

○名前

 そもそもオリゴデンドロサイトは、幾つかの(オリゴ)突起を持つ(デンドロ)細胞(サイト)という意味であり、敢えて日本語にすれば希突膠細胞となる。発見時すでにニューロンとアストロサイト(星状膠細胞)が知られており、第3の脳細胞であった。名前の通り突起が少ないように見えるが、実際の突起は15本以上存在し、50本もの軸索に巻きついた構造を取っている。

○マーカー

オリゴデンドロサイトを検出するマーカーとしては、ミエリン鞘に多く存在するタンパク質MBP(Myelin Basic protein)やMOG(Myelin oligodendrocyte glycoprotein)が用いられる。

○グリア細胞とは

シュワン細胞やオリゴデンドロサイトのように、神経系に位置するニューロン以外の細胞をまとめて〝グリア細胞〟と称する。グリアはギリシャ語で膠・糊(英:glue)を意味している。

グリア細胞の種類としては、シュワン細胞オリゴデンドロサイトの他に、ミクログリアアストロサイト衛星細胞(外套細胞)がある。ミクログリアは免疫、アストロサイトは血液脳関門形成などに働いており、共に中枢神経系である。衛星細胞は抹消に存在し、神経を取り巻いている。





○関連項目

神経細胞
シュワン細胞

○参考文献
・脳科学辞典 
 グリア細胞 
 オリゴデンドロサイト 
 Nogo
 髄鞘
・オリゴデンドロサイト・マーカー Abcam
https://www.abcam.co.jp/neuroscience/oligodendrocyte-markers-1

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